「日本版カジノのすべて」(日本実業出版社)木曽崇でカジノ統合型リゾートが分かる

カジノ研究所所長の木曽崇さんの著作「日本版カジノのすべて」が9月26日発刊されます

カジノ合法化統合型リゾートのゆくえが秋の国会で決まる見通しですが、タイムリーに
カジノ研究所所長の木曽崇さんが、カジノカジノのしくみや経済効果、ビジネス、統合型リゾートについて解説した
日本版カジノのすべて」を日本実業出版社から発刊します。(2014年9月26日発刊)

木曽崇さんは、ネバダ大学ラスベガス校ホテル経営学部でカジノ経営学を専攻、首席で卒業されました。
カジノ経営は米国では経営学の一分野として立派な学問になっているんですね。
米国大手カジノ事業者グループでの会計監査職を経て、国際カジノ研究所を設立した日本で数少ないカジノ専門家です。

本サイトでもBROGOSなどのネット媒体での木曽崇さんの投稿内容をご紹介していますが、
日本カジノの在り方についての提言は、カジノ合法化ありきではなく、反対論を公平に取り上げ、議論を深める姿勢が素晴らしいです。

注目の日本版カジノの動向や、世界の現状、カジノ導入のメリットデメリット、経済効果までを網羅しています。
日本人に根強く植え付けられた「カジノは賭博」というイメージの背景を解き明かし、客観性の高いデータを交えて説明していて
展示会や統合リゾート(IR)関係者にとってもわかりやすい「カジノ入門書」となっています。

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1兆円の用意があるというサンズ  でもカジノ開発は日本が手綱を握らなくては

昨日は、日本のカジノ開発に1兆円を投じる用意があるという、ラスベガス・サンズ会長の言葉をちょっと浮かれてお伝えしてしまいましたが、手綱は日本が握らなきゃ、というお話です。

カジノ専門研究者の木曽崇さんが、サンズが最近起こした2件の大型開発案件キャンセルの事例を取り上げて警鐘を鳴らしています。
カジノ運営事業者に主導権を握られてしまった悪しき事例です。カジノ開発がOKとなったとしても、手綱を握るのは日本でなくてはなりません。
さすがは木曽さん、非常に冷静に分析されてますので、長くなりますが原文を転載させて頂きます。

実は、こうやって事前のメディア報道等を使って入札ラインを大幅に引き上げてゆく競争の仕方は、ラスベガスサンズ社が世界の新規カジノ入札において最近良く行なっている戦略です。これは、ポーカーに例えるならば資金力のあるプレイヤーが大きくベット張って競合者を振るい落としているのと基本的に同じ。最終的に自分だけが残れば儲けもんです。

このような行為は、民間企業のメディアを使った正当なる競争の範疇なので違法というわけではありません。しかし、特に行政サイドとして気をつけなければならないのは、こうやって競合業者を振るい落とし、行政との交渉が実質的にone by oneになった時点で多くの事業者は規制のあり方等に関して非常に強硬な条件交渉を始めるという点です。

当然ですが、このような状況の下での行政と民間との交渉は非常に難航します。行政側としてはすでに交渉相手が実質一つなわけですから、投資を獲得するためには大幅な譲歩をせざるを得ない。正当な形で民間の要望が制度に反映されるのは喜ばしいことなのですが、それはあくまで行政側に主導権がある場合に限っての事です。逆に、「唯一の投資企業」として民間側に強力な交渉カードがある中で行なわれるこの種の交渉は、当然のように民間サイドから無理な要求が出てきますし、往々として行政側が制度コントロールを失います。しかも、希望する条件が揃わなければ、事業者側は容易に「やーめた」といって撤退を始めます。

それが非常に悪い形で表面化したのがラスベガスサンズ社のスペインにおける開発事案です。この開発構想も、適正な入札を経ないまま、なぜか実質的に行政と民間事業者のone by oneの交渉になってしまいました。結果、民間側からの強硬な制度交渉が始まり、それに対応しようと行政側が四苦八苦。しかし、それでも要望レベルに届かないとされ、最終的に民間側が行政交渉および計画の中止を宣言。今や、当地は新たな投資も殆ど集まらず、屍累々の状態にあります。

スペインの案件というのは、サンズが昨年2013年12月13日にマドリード近郊に計画していた大規模カジノリゾートの整備構想を撤回したという、3兆円にも及ぶプロジェクトでした。このプロジェクトに経済再生を賭けていた同国にとって大きな痛手ではないでしょうか。ただ、これが実現しなかったのは、スペイン現地側がサンズの法外な要求をのまなかったからではないかと思います。スペインが主体性を失っていないだけ、まだマシだったかも知れません。

もう1件は、2007年のイギリスのスーパーカジノ案件です。

我々日本はかのプロジェクトの失敗を教訓として学ばなければなりません。

このようなメディア戦略などはまだまだ正当な民間競争の範疇ですが、例えば多くの事業者などは市場開放間近ともなれば強力なロビイストなどを雇って、「我が社の持つノウハウを提供する」などいう甘言をもって各自治体の首長や担当部局などにアプローチを始めます。「行政の代わりにカジノ導入の経済効果試算をしてあげる」、「開発イメージ図を描いてあげる」など幾つかのバリエーションがあるのですが、いずれのアプローチにせよ五里霧中の手探り状態でカジノ導入計画を進めている行政側からしてみると、この種の民間からのアプローチは「救いの手」に見えるんですよね。ただ、これもまた民間事業者にとっては他の競合を廃し、行政側とone by oneの交渉に持ち込むための一手段と思ったほうが宜しいかと思います。しかも、こちら側は前出のメディア戦略と違って、色々な不正が入り込む余地が非常に高い。

このようにカジノ候補地と事業者がone by oneでヒモ付いてしまった結果、大混乱が起こり、すべてがご破算になった例が2007年にイギリスで起こったスーパーカジノ入札ですね。当時のイギリスはちょうどブレア政権からブラウン政権への政治転換期に有りましたが、政権交替の混乱もそこに加わり、最終的には国内唯一のものとして計画されていた大型のリゾートカジノ計画そのものがご破算になりました。あれから5年以上経ちますが、未だにイギリスではリゾートタイプの大型カジノのライセンスが制度上は存在しながらも、開発が行なわれないという状態が続いています。

ということで、ノウハウが手元にない行政側としては民間側から「●●億円の投資意向がある」と言われれば喜ばしいに決まっていますし、「ノウハウを教えてやる」と言われればそれに乗りたくなる気持ちは理解できるのですが、そこは行政マンの矜持としてグッと我慢することが必要。RFI(Request for Information:情報開示要求)、RFC(Request for Concept:概念提示要求)など、行政と民間がone by oneの交渉にならないような形で事業者からノウハウや投資意向を引き出す手法は存在しますから、それらを上手に利用しながら立ち回ることが必要です。

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